建物の断熱性能はどの程度にすればよいか??

UA値とは??

建物は冬暖かく!!これは皆さんの要望で上位にきます。建物の断熱性能は、もちろん高い方が良いです。その目安となる数値をUA値として現しています。

UA値(外皮平均熱貫流率)とは、住宅の断熱性能を表した数値で、各部位から失われる熱損失を合計して、外皮の面積で割って求めています。つまりこの数字が小さいほど断熱性能が良い家と言えます。

外皮とは、外部と内部の熱的境界のことで、屋根・天井・壁・床・ドア・窓などのことです。ちなみに換気による熱損失は考慮されていないので、純粋に建物の性能と考えられます。換気での熱損失も多くあるのですが、それはまた後日。。

ηA値とは

UAと共に、ηA値も外皮の性能を決める一つの大事な基準です。ηA値とは冷房期の平均日射熱取得率のことで、窓から入るエネルギーもこれ以下にしてね、という事です。夏場、窓から沢山エネルギーが入って、断熱性能が高いと、ある意味ビニールハウス状態になって、蒸し風呂のようになってしまいます。だから、この基準を設けています。一方、寒冷地では、太陽のエネルギーも家の中を暖かくするのに必要な事なのでこの基準は設けられていません。

日本は、暑い地域から寒い地域まで様々あるので、それぞれの基準があるのです。

UA値の基準

UA値は数字で表されるので、もちろん基準があります。

東京や千葉沿岸地域であれば、6地域にあたるので

平成25年基準 UA値0.87以下、ηA値2.80以下
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス 支援事業  UA値0.60以下、ηA値2.80以下
HEAT20 G1 UA値0.56以下、ηA値2.80以下
HEAT20 G2 UA値0.46以下、ηA値2.80以下

それぞれ、必要な性能値をそれぞれの基準で決めています。25年基準は、今では最低基準と言えるでしょう。ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスはZEHと言われる住まいで、ゼロエネルギーを目指すならこのくらいは担保してねというイメージです。さらにHEAT20は長期的視点に立ち、住宅における更なる省エネルギー化をはかるための基準で、更に上位の基準になります。

基準はわかったけど、実際の住まいで断熱性能にすれば良い??

UA値0.87

ここからは実際の住まいの話にしましょう。平成25年基準 UA値0.87は、現在の新築住宅、注文住宅と言われる住まいでは、少し断熱材に気を使えば問題なく出てしまう数値です。むしろ注文住宅で平成25年基準をクリアしているのは営業トークにもならないと思います。建売でもこのくらいはクリアしてしまうのが一般的だと考えておいた方が良いでしょう。

UA値0.60

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス 支援事業のUA値0.60をクリアしようとすると、皆さんが気にする壁の断熱材だけでなく屋根・天井・床・基礎の断熱のグレードアップも考える必要があります。例えば、同じ断熱材でも熱伝導率の良い商品に変えるなど。。
このあたりで、0.87よりもコストアップは必要になりますが、同じ材料が変わるだけなので、施工性が変わるなど大きな変更はないので、あまり影響はないでしょう。

UA値0.46

HEAT20のグレードですが、こちらは、断熱材を、フェノールやウレタンなどの、高性能なものにする必要があります。こういった断熱材も、厚みが必要なので、コストは上がります。またグラスウールやセルロースなどを用いる場合は充填断熱+外張り断熱のダブル断熱をする必要もあります。工事の立場から言えば、充填断熱で可能なのか外張り断熱が必要なのかは、工事工程も変わるので、大きなコストアップの要因になります。

重要な要素、サッシ

サッシは、断熱材よりもある意味重要です。窓は、断熱材を入れる事が出来ないので、性能が低くなってしまいます。このあたりのサッシの断熱に関する記事はこちらを参照してください

ペアガラス、トリプルガラス、それ以上のファイブガラスのものすごい高性能なサッシでもやっとグラスウール100㎜程度の断熱性能になるのです。

ここまでなくても、サッシの性能は、断熱以上に配慮が必要な部材なのです

そして窓には通風採光などありますが、UA値として考えるなら、窓はない方がイイのです。

房総イズム的 UA値のまとめ

まず、充填断熱だけで性能値を考えるか、外張り断熱+充填断熱で考えるかで方向性が異なります。

①充填断熱だけで考えるなら現状の断熱材では0.50~0.46くらいが限界値。その場合、従来の工事方法でできるので工事コストは抑えられますが、高価な断熱材を用いるので、その分のコストアップは考慮した方が良い。サッシはトリプルガラスにする必要あり!!

②外張り+充填断熱で考えるなら0.30近くまで、可能。サッシはもちろんトリプルガラス。

これ以上の性能値を求めようとすると、外張り断熱が厚くなりサッシより大きくなってしまい雨仕舞のディテールが難しくなります。また躯体に更に断熱受けの桟木を組む必要がある場合も出てきます。このあたりまで来ると様々な要件をクリアするために施工難易度も上がるので、コストメリットが少なくなってくるかもしれません。

房総イズムでは①②のグレードを考えつつ、コストを勘案して建物の性能を決めてゆきます。