こんにちは、房総イズムです。
皆さんは「注文住宅を購入しよう!」と思ったら、まずどうしますか?
おそらく土地から探す人が多いのではないでしょうか?もちろん土地は最重要ですが、実は同時に住宅設計もしておいた方が良いことはご存知でしょうか?
そこで、今回は土地探しと注文住宅の設計との関係性について詳しくご紹介します。そして上手に妥協する事が土地探しの大きなポイントになるのです。
もくじ
まずは、土地探しと住宅設計の関係性
注文住宅を建てようと思うとき、まず土地探しからという人も少なくなりません。でもその土地探しがどのように注文住宅の設計に影響するかについては、いまいちイメージがつきません。そこで普通に土地探しと住宅設計の関係性についてお話しましょう。
第一に不動産屋の探し方
①初めての不動産屋さんめぐり。注意したい事
「家を建てよう!」と思ったら、まず「不動産屋を探す」。不動産屋は数多くあるので、選ぶのが難しいですよね。しかも、その土地によって専門の不動産屋は異なります。
それでは、どのように不動産屋を探したら良いのでしょうか?
- CMで見たことがある不動産屋に行ってみる
- 近所に沢山看板が建っている
- 知り合いからの紹介
- 気に入っている土地に看板が建っている
- 知り合いの工務店に紹介してもらう
- 融資先の銀行さんに紹介してもらう
このような探し方が一般的ではないでしょうか?
なかでも「紹介」はもっとも多いようです。
各不動産屋の取り扱い物件の多くは、指定流通機構の「レインズ」に土地や物件を掲載している物を紹介してくれます。
ただし、レインズに載せることは不動産屋にとってデメリットもあるため、実際は掲載されていない情報も存在します。そのため、あらゆる不動産情報を知りたいのなら、さまざまな不動産屋に行って聞くしか方法がありません。ここの情報が知りたいからこそ、いろいろな不動産屋を当たることが必要になります
つまり、良い土地・良い物件を知りたいのなら、「結局は自分の足で探しに行くしかない」ということです。
■土地の探し方と設計の条件整理
①土地の探し方
「土地を探したい」と思ったら、どうやって調べたら良いでしょうか?不動産情報が載っているコンテンツや調べ方は、主に下記の通りとなっています。
- 新聞広告を見る
- タウン誌を見る
- 中吊り広告をみる
- 不動産屋さん店頭広告を見る
- 月刊もしくは週刊住宅情報誌を見る
- 喫茶店に置いてある無料の情報誌を見る
- 折込チラシをみる
- インターネットを活用する
- 候補の土地を探し、不動産屋さんの看板を見る
- 知り合いに聞く
- 不動産屋さんに『この辺の土地出たら教えてください』と伝えておく
このような感じで土地や不動産の情報に触れることができます。
それでは、次では「どういった土地が良いのか?」について深く考えてみましょう。
②土地の広さはどれくらい必要?
「土地の広さはどれくらい欲しいですか?」と聞かれても、よくわかりませんよね。各家庭の生活スタイルによっても必要な面積は異なるからです。
そこで、下記項目を整理し、自分たちにとって必要な土地の広さを考えてみましょう。
- 家を建てるときの家族は何人?将来は子供が増える?同居人は?
- 将来二世帯になる?
- 車庫は必要?車は何台?
- 車の回旋経路は確保されていますか?
- 犬を飼う?大型犬?家の中で飼う
- 親がたくさん泊まりに来る?客間は必要?ゲストルーム?
- ガーデニングはしたい?
- 土地の高低差があればアプローチも考えなければ!!
- キャンプとかアウトドアはしますか?
- 駐輪場・バイク置き場必要?
- 納戸や倉庫は必要ですか?
- 家は平屋・二階建て・三階建て・地下室?どの規模が必要?
- 風致地区など法規制で壁面後退などはない?
- 建蔽率容積率の法規制で家が立つ面積は把握していますか?
土地の広さを検討するには、家+エクステリアだけを考えれば良いわけではありません。どうやって過ごして行くかという「生活スタイル」も一緒に考えることが大切です。
土地の広さの次は、「土地の形や条件がどこまで許容できるか」も考えておきましょう。
③土地の形状や条件は、どこまで許容できる?
良い土地との出会いは、まさに「一期一会」です。すべての要望を満たせる土地はなかなか見つからないものです。「ここは良いけれど、あそこが気になる……」という点は多々出てくるでしょう。そこで、土地の形状や条件について、どこまで許容できるか考えておくことも重要なポイントです。
- 敷地に出入りするのに、前の道路は狭くないか。車の出し入れは簡単か
- 敷地に高低差はないか
- 敷地に勾配はないか
- 擁壁があるような敷地なら。その擁壁は強度があるか
- 隣の塀が傾いたりしていないか
- 隣地の建物が越境していないか
- 敷地の形状が、長方形や三角形でも成り立つか
- 敷地が道路より低くないか
- 敷地の南側に建物があるのか
- 南側の敷地は空き地なのか
土地の条件や形状は購入前から決まってしまっています。上記項目を1つずつチェックしながら、自分たちがどの程度許容できるか確認しておきましょう。
それでは、「土地の広さ」「土地の形状・条件がどこまで許容できるか」のイメージが付いたら、次は実際の生活を想像しながら「土地の環境」について考えてみましょう。
④生活環境をイメージして優先順位を考えよう
土地を選ぶ際は、環境の優先順位も大切なポイントです。将来の生活を想像しながら、下記項目について考えてみましょう。
- 駅からの距離は、徒歩もしくは車で何分まで大丈夫か?
- 自転車で坂道があっても我慢できるか
- 近隣に病院が無くてもよいか
- 学区が異なっても良いか?
- 子供の学校までの距離はどの程度遠くまで我慢できるか?
- 都市ガスは必要か?
- 下水道設備は整っていた方が良いか?
- 緑地は近くに合った方が良いか?
- 散歩ができるような環境は必須か?
- 防犯に配慮ある街並みか?
- 道路に凸凹がある(ハンプ)街並みか?
- 道路が幹線道路への抜け道になっていないか?
- 周辺に大きな川が流れていないか、過去に氾濫はないか
- 大きな崖崩れはなかったか
- ハザードマップにはいっていないか
生活環境での優先順位は、各家庭によって大きく異なるところだと思います。奥様と旦那様で異なる場合もありますので、事前にすり合わせも必要ですね。
さて、次はちょっと難しいですが、土地に関わる法規制のお話です。
土地にはあらゆる法規制がかかっているため、土地を購入して自分の物になったからと言って「注文住宅を自由に設計できるわけではない」のはご存知でしょうか?これらもチェックしておきましょう。
⑤おさえておきたい、土地に関わる法規制
土地はその立地で法規制も異なります。下のチェック事項を見てみましょう。
- 都市計画区域か都市計画区域外か
- 用途地域
- 建蔽率
- 容積率
- 法22条地域・準防火・防火地域
- 高度地区
- 建築協定
- 風致地区
- 地区計画
- 壁面後退
- 緑化義務
- 崖条例
- 最低敷地面積
- 日影規制
これらは注文住宅を設計する際に密接に影響するため、土地探しの段階で十分調査しておきましょう。わからない際は、不動産屋にどんどん質問してみましょう。
■購入前に忘れずチェック!境界と地盤について
①境界について
一般的には、不動産屋から土地を購入するときは境界の確定がされていますが、たまに購入前に確定されていない場合があります。
「ここからここまでが自分の土地だ」と思っていても、購入したら実は違っていたということも実際に起きています。
境界が確定されているかどうかは不動産屋に必ず確認しておきましょう。
また、売主側の親族間でまだ協議中だというのに売りに出された土地で、購入する際にいろいろと後味が悪くなってしまうという事態もまれにあります。
こうしたリスクをできる限り避けるためにも、不動産屋に確認しておきましょう。
②地盤について
土地の中でも目視できないのが地盤の強度です。「隣に家が建っているから大丈夫だろう」と思っていても、それは自分の土地が大丈夫だという証拠にはなりません。
「水」や「沼」「洲」のように水に関連する地名が付いている地域は、もともと水が多い地域であったり、堆積土や埋め立て地域であったりする可能性が高いです。
購入前に、周辺の地盤調査データを確認することをお勧めいたします。
また解体更地の土地の場合、以前の建物の地中埋設物があるということも珍しくありません。事前に不動産屋に確認しましょう
■100点の土地はないからこそ、妥協点を設計と共に見極める
土地探しと家の設計は、密に関係しています。土地が決まってから家の設計と言う一般的な流れで、希望の住まいが手に入らなくなるという可能性は実に沢山あるのです。
だからこそ家の設計を考えながら土地を考えると、見えないものが見えてきます。その土地の最適解や、その家族のエピソードも見えてきます。
そして、沢山の選定ポイントがあるからこそ100点の土地にはほとんど出会えないのが現実です。どこに妥協ポイントを置くか考えてみましょう
土地探しは、そこで生活するための「過程」です。家と共に考える事は当たり前のようであり、あまり語られていません。土地に100点を求めて決められない事で良い物件を逃してしまう事もあるでしょう。土地探しにおいて妥協点を見極める事が最も重要だと思います。
そこでどのように暮らすかということが、土地探し、家づくりの一番大切ではないかと、房総イズムは考えています