資金が無い、情報が無い、物件が無い

住まいに不満があれば、住み替えや建替え、リフォームをしたいと思います。

しかしながら、様々な理由でそういった住み替えが難しくなります。その辺を紐解いてみましょう。

子育て~親と子の世代に関して

子供が生まれた時、中学生の時は、とにかく資金が無い

下記のデータを見てもわかるように長子が5歳以下の場合、43%が資金不足、そして子供が中学生に上がる時には、更に44%が資金不足。これは子供が生まれたライフスタイルの変化と、学費のかかる中学高校生の時には、住まいにお金を掛ける事は非常に難しくなります。

子供が社会人になると、情報の取得が難しい

子供が社会人になってから住み替えようとすると、情報不足が際立ってきます。これは意外でしたが、住宅産業は基本的に、若い家族向けに打ち出しているので、高齢者にとっては分かり難い部分が沢山あると思います。近年特にスマホを使った広告が増える一方で、以前のような新聞折り込みなども少なくなって参りました。また、近年の着工数の減少により地元の工務店は店じまいしてしまったり、新築工事はもうやってないよ!なんとこともあり誰に頼めばよいか、不明になってしまいます。しかも住宅展示場も、ターゲットが異なるので行ってもしょうがないかなという事になります。そういった意味でも、高齢者にとって情報不足はその通りかもしれません。

単身世代に関して

35歳未満の単身のあなたは、比較的、貯金もあり選択肢が多くなります。一方中年の単身者になると、資金不足が否めなくなります。親の介護から、様々な出費がのしかかり、自分の住み替えに資金を使うというわけにはいかなくなってきますね。

夫婦2人に関して

老夫婦になると、賃貸住宅は難しいですが、老人ホームも含め様々選択肢が出てくるので、物件は豊富にあるようです。

まとめ

結局のところ、家が欲しいと思う時に資金がしっかりあるかは大きな問題になっています。物件不足というのも、自分の資金計画にあった物件がない事が一番でしょう

情報不足は、信頼のおける施工会社、専門家は誰に聞けばよいかという事がわからないという事です。結局のところネットの情報に依存する事になるか紹介になるかという事でしょう。

やはり、家を欲しいという年代と、資金を持っている年代のミスマッチが、無理な資金計画で家を建てる元凶になっていると思われます。国が、家を欲しい年代に対してアシストする事も贈与税の優遇を見ても明らかですね。

参考文献

全体 資金の不足 物件の不足 情報等の不足
34.2% 16.3% 28.8%
単身(35歳未満) 26.6% 19.0% 23.0%
単身(35歳~64歳) 33.0% 27.6% 25.4%
単身(65歳~74歳) 29.3% 21.9% 27.7%
単身(75歳以上) 21.6% 11.3% 30.0%
夫婦(家計を主に支える者が65歳未満) 31.8% 16.4% 33.0%
夫婦(家計を主に支える者が65歳以上) 22.4% 6.2% 32.2%
親と子(長子5歳以下) 43.6% 27.1% 24.8%
親と子(長子6~11歳) 39.3% 24.4% 20.8%
親と子(長子12~17歳) 44.3% 21.2% 23.8%
親と子(長子18~24歳) 41.2% 14.3% 32.4%
親と子(長子25歳以上) 31.1% 7.1% 37.4%

(資料)平成25年住生活総合調査(国土交通省)出展資料に基づきます。

※資金の不足=「預貯金や返済能力の不足、またはその可能性がある」、「勤務年数などの理由で融資が受けられない、または額が少ない」、「現在の住宅・宅地の売却がうまくいかない」を示す。
※物件の不足=「予算の範囲で気に入った住宅がない」、「民営の賃貸住宅への入居を拒否される」、「公営住宅などへの入居が困難」を示す。
※情報等の不足=「住宅の性能などの情報が得にくい」、「物件の周辺環境などの情報が得にくい」、「信頼できる施工業者、仲介・販売業者などの情報が得にくい」、「気軽に相談できる専門家の情報が得にくい」を示す。