もくじ
35坪の注文住宅に様々な片流れを組み合わせる

個性的な外観をつくる
35坪の住まいを片流れの屋根の組み合わせでデザインする
アメリカのシーランチ・コンドミニアムを彷彿とさせる外観
房総イズムでは、意匠を検討するとき、まず初めに、好きなデザイン・嫌いなデザインを選んでもらいます。それはお客様の集めたインスタグラムでもいいですし、ピンタレストでもOKです。ネット上の写真を集めたものでもOKです。

直観の好き嫌いはとても大事で、私たちは意外とこの部分を大切にしています。
これを元に私たちがグループ分けを行いながら、今回の敷地や条件、お客様の希望、コスト感など様々な要件を考慮して意匠を起こしてゆきます。
古文書の解読に近い感じです。
結果的に、好みのデザインとは少し離れる場合もありますが、そこには検討を重ねたロジックがあるので、しっかりとご説明いたします。

折角の注文住宅だから、単純ではない形状、雰囲気にしたい
折角、デザインから始まるのに、普通な家ではない感じにしたい。そういったところからできたのが今回の袖ヶ浦の注文住宅。3つのボリュームを並べたものが、この片流れの複合体です。とてもボリューム感がある建物になっています
室内は平屋と2階建ての組み合わせで勾配天井



3つのボリュームで囲まれた中庭の南側は、もう家の建つことはありません。この眺望を借景として利用できるのは、この場所からの贈り物です。春には、桜を見ることができます。建築側ではできない最高の贅沢だと感じます。



2階のホールには図書館があります。

二階のホールを図書館にしました。通過動線になってしまうホールですが、やはりもったいない!!そんな想いから、ちょっとした図書館を作りました。本は背表紙を見せれば沢山収納できますが、本は中身だけじゃなくて装丁にとてもデザイン性があるので、そこを飾ってあげたい。それが面押しの図書館です。

ユニバーサル型の照明を用いてライティングもこだわります

階段の上を利用してベンチを作りました。図書館や本屋さんで少し座って読めるスペース。そんなスペースを家の中に作っています。
材料はアカシアの集成材。床もアカシアの無垢フローリングを用いているので、少し風合いをこだわってみました。

あえて番付け振りの書かれた木材をそのまま利用しています。家づくりの思い出を少しでも、さりげなく残すデザインです。
梁が見える解放感のあるLIVING

雰囲気の違うリビング、壁掛けテレビの後ろはグラデーションの掛かった塗装。この微妙な青み掛かった色の選定が秀逸です。奥様ご主人のセンスを感じるところです。
全体的にクロスの白一色ではなく、アクセントウォールや、家具などに細々色を使ってあげると大変魅力的な空間になります。

出会いからのストーリー
『木更津あたりで家を建てようと思っています。でもどこからはじめて良いのかわかりません。土地探しもできますか?』
こんなお電話からはじまりました。
今は東京に住んでおられて、房総に何度か来られたこともあるようで、こちらに家を建てた際には、アクアライン通勤をするとお考えでした。
お住まいのエリアもまだ正確に決まっていない状態でしたが、まずはアクアライン通勤が可能なエリアと、お子様が保育園に入れる場所を中心に土地探しからです。
待機児童の問題は、引っ越しが絡む時には大変大きな問題で、小さいお子様がいらっしゃる場合、簡単ではありません。(保育園も児童の空きはあっても先生が不足しているという問題もあるようで、この問題は一筋縄にはいきません)
木更津の請西エリアはまず、一発目で探すエリアですが、分譲が終わって日がたち、また人気のエリアであるため、なかなか良い土地を見つけることは難しくなっています。
そこから、畑沢エリア、港南台エリアと探しますが、こちらもなかなかめぼしい物件を探すことができませんでした。
そんな時、袖ヶ浦で分譲前の土地があり、袖ヶ浦バスターミナルを使えばなかなか良い立地であり、なんといっても眺望が抜群に良いということですが、まだ造成も終わっていない為細かい確認はできません。しかしながら価格、場所性共に良いためここが新しい住まいの場所となりました。
お施主様のお話では、なかなか良い土地に巡り会えなかったので移住をあきらめようかとお話しされていたようです。
土地は、本当に毎度のことながら、一期一会。出会えるかどうかなので、やはりお施主様は運をお持ちだったということですね。
ここまでくれば、あとは、私たちがどうデザインしていくかということです。
また、今年は、テレワークもあり、リモートで打ち合わせも行いました。思い出に残る物件になりました。
