こんにちは、房総イズムです。
今回は「ライフスタイルから家の大きさを考えよう」というお話です。
いざ家を建てようと思ったとき、「大きい家」で暮らすことをシミュレーションはしても、「小さい家」で暮らすことを思案する人は少ないのではないでしょうか?
でも「自分のライフスタイルから導いてみると、実は小さい家の方が合っている」なんてことがあるかもしれません。そこで今回は、どうして小さな家にすることができるのか?どういったライフスタイルの方に「小さい家で暮らすこと」が当てはまるのか、また小さい家を建てるときの間取りのポイントなどをご紹介します。
もくじ
小さい家で足りる理由
昔の家が大きいのは理由がありました。例えば、冠婚葬祭を家の中で行ったり、農作業も自宅敷地内で行ったりするなど、家の中にさまざまな機能が必要だったからです。
一方、現代ではそうした家の機能の多くをそっくりそのまま外部に委託できるようになり、自宅で行うことは少なくなっています。
つまり、住宅に多くの機能を持たせなくても問題なく生活ができる時代なのです。
また家で暮らす家族も構成が変わり、昔は二世帯・三世帯の大家族が主流だった一方で、現代では「核家族」が主流です。このような観点から、現代は小さい家でも十分事足りるのです。
房総イズムにも、こうしたミニマリズムの要素を取り入れ、「心地よく暮らせる小さな家」を作りたいというご要望をいただくことがあります。
そこで!今日はさらに深堀りして、「夫婦二人で暮らす小さい家」について考えてみました。
12.5坪の小さい家の間取りを検証
今回は、12.5坪の夫婦二人暮らしの注文住宅を想定して間取りを考案しました。12.5坪と言うと約41㎡。元々他人同士である夫婦が、長い時間共に暮らすために必要な最小限のスペースを目指すわけではなく、房総イズムが得意とする「必要な機能・広さ・汎用性を目指した間取り」で考えてみました。
その中で、デザインのポイントは以下の様に設定しました。
間取りのポイント①
夫婦二人の生活でも、寝室と団らんスペースは分ける。
間取りのポイント②
食事は楽しめるような設計に!
間取りのポイント③
外部は取り込む。
間取りのポイント④
トイレは水回りと兼ねる。
上記4つのポイントを押さえた間取りがこちらです。
小さい家は通常の注文住宅の設計に比べ、多少の不自由さがあります。でも、この不自由さこそデザインを面白くするとも言えるし、設計士の腕の見せどころでもあります。
今回は“不自由さ”をライフスタイルで解消できるような設定をしつつ間取りを考えました。
「夫婦二人で共働きなら、家の外にいる時間の方が長いよな。」
「訪問客が来ても縁側で十分だよね。」
「トイレなんていつも使うわけじゃないから、別に区切る必要はないかな。」
「誰かが泊まりに来たらリビングで雑魚寝!」
等々、小さい家こそライフスタイルをとても大切にしますね。
実際、最小限のものしか持たないミニマリストと言われる人たちは、家の中ではなく、外にライフスタイルの重点を置いていることが多いものです。
例えば「朝はコンビニ、昼はカフェ。その後はジムに行き、行きつけのお店で晩御飯。洗濯はコインランドリーで」といった感じです。不自由さを逆手にとった建築は、なかなか面白い空間ができるチャンスでもあるのです。
変化するライフスタイルに合わせて住み替える?
生活ステージが変わり、さらにライフスタイルが変われば、必要な家のサイズも変わるものです。
【生活ステージの変化の一例】
就職 ⇒ 結婚 ⇒ 子どもが生まれる ⇒ 子どもの思春期 ⇒ 子どもが独り立ち ⇒ 退職 ⇒ 老後 ⇒ 要介護
それぞれのステージで必要な家の機能は異なるため、どのときに家を持つかによっても注文住宅の設計は変わります。
「子供部屋がほしいとき」
「一人の部屋があれば十分なとき」
「世帯家族が増えるとき」
「世帯家族が減るとき」
等々、実は一つの家ですべてをまかなうことは難しいものです。そう考えると、その時のライフスタイルに合わせて家を住み替える方が良いのかもしれません。しかし住まいは「安心」の象徴でもあるので、「原風景は残して置きたい」という人間の欲求も理解できます。
そんなことを考えつつ、房総イズムでは小さい家の規格化を目指して「DRESSLODGE_sh」のプロジェクトも進行中です!
小さい家を都会や田舎・郊外などいろいろな場所に持ち、その住まいをシェアする、というライフスタイルもいいですね。
追伸
注文住宅の設計をする中で、多くの方と出会って感じるのは、本当に「人の価値観はさまざま」だということです。大多数の人が思い描く「住宅」と言う形に縛られず、あくまでも住まうお客様のライフスタイルから住まい方を紐解くことで、お客様に最適な回答が出てくるでしょう。
今一度、思い描く住宅に固執せずに、まずはご自身のライフスタイルから住まい方を選んでみてはいかがでしょうか。
我々房総イズムも、日々新しい考えを皆様から勉強させて頂いております。