もくじ
スキップフロアと吹き抜けを30坪にデザインした住まい
空間を最大限に生かすスキップフロア
限られた面積の中に諸室を配置するデザイン
吹き抜け・スキップフロア・一筆書きの空間
吹き抜けにスキップフロア。漆喰にモザイクタイル。無垢のフローリング、小さな面積の中に沢山の建築的要素をちりばめた住まいになっています。高さの異なる部屋は、階段と廊下を介して一筆書きの様に楽しい動線計画になっています。一つの家族が一つの空間の中で楽しく暮らす。そんなこだわりの住まいです。
スキップフロアのデメリットは、廊下率が高く、間取りの広さが必要
スキップフロアは、どうしても人の歩くスペースが必要になります。そのため、同じ間取りでもフラットな階よりも広さが必要になるため、広い家でないと採用の難しいプランになります。
30坪の中に、LDKと3部屋+スキップフロア、その設計手法とは
このお住まいは、30坪の中に、LDKと3部屋を確保することが命題のため、苦戦しました。結果的に、お風呂を2階に設置して、1階の要素、減らすことで、通路割合を確保し問題をクリアしました。
一方、吹き抜けや、スキップフロアは面積の増えるデザイン要素です。そういった中でも、空間を効率的に組み合わせることや、リビングの使い方を整理する中で、30坪の面積の中にスキップフロアと、吹き抜けさらにファミリースペースを作ることが可能になりました。
ちなみに階段下は、かまくらのような一人の空間になっています。
この吹き抜けは、スキップフロアとセット
吹き抜けは、憧れのデザインとよく言われますが、その吹き抜けがどのように意味を成すのか考えておく必要があります。吹き抜けは、2階に床を設置することをやめてでも、設けた部分なのです。2階へスキップ状に上がる廊下の動線を吹き抜けを介して、各部屋が接続されてゆきます。
30坪の中にちりばめるデザイン
3LDK+ファミリースペースという間取り。30坪という大きさは、決して大きな住まいではありませんが細かいデザインをちりばめてあります。
階段ホールから、吹き抜けの2階通路へつながります。
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外観からは内部が吹き抜けとスキップフロアーがあるようには決してわかりません。
中心性のある吹き抜け、スキップフロアの移動でシークエンスを楽しむ
このように吹き抜けを中心に部屋が配置されています。一筆書きのように空間を体感することができる住まいなのです。床には床暖房を設置し、栗のフローリングで暗めにコーディネートして壁には漆喰を塗り光がきれいに走るような空間構成になっています。
最後にスキップフロアの設計のポイントと注意点
スキップフロアは、とにかく設計が難しい。まず、半階づつ空間の高低差ができるので、どこかに半階分の部屋ができてしまいます。そのため、多くのスキップフロアは、ビルドインガレージの上や、深基礎であらかじめ段差のある物件で効率的に設けられることが多くあります。
フラットな総二階建てにスキップフロアを計画しようとすると、どうしても半階部分ができてしまいます。この半階部分を1400mm以下の天井にして、小屋裏収納扱いにして収納として利用する方法もありますが、小屋裏収納として使えるかどうかは、行政庁により判断が分かれてしまうので事前協議は必須になるでしょう。
一般的な二階建てに比べ、階段やホールが増え、床面積を必要としますので、あらかじめ余裕のある坪数で計画を進めたほうが効率的です。
構造的にも、床剛性が分割されてしまうので、耐力壁に伝わるように構造計画が必要になります。
スキップフロアには吹き抜けがあったほうがより空間の醍醐味を感じることができますので、このセットはお勧めです。また、必ずホール空間ができてしまうの、スタディーコーナーのようなオープンスペースを作ってあげることも、スキップフロアーならではことになるでしょう。