もくじ
ウッドファイバーという断熱材
ウッドファイバーは、自然系の断熱材として、日本では新しい部類の断熱材になります。
木質繊維を、主原料としているので、エコな建材であり、生産エネルギーも小さいので地球にも優しいと言われています。断熱材としての性能は高性能グラスウールと同程度の性能があります。
特質すべき性能としては、防音、調湿、熱容量の3点は、素晴らしいと思います。これらの性能は、元来、木材自体が持っている性能なので珍しいものではありませんが、断熱材に木材を用いることでこんなにメリットを得られます。
特に、防音は、大変実感を得られます。私達の使った感覚では、セルロースファイバーに近い性能値を感じます。
ウッドファイバーも、セルロースファイバーも、木材が原料なので、同じような性能であることも理解できます。
このように考えると、木材の中に暮らす感覚なので、新しい形のログハウスに近いかもしれません。
ウッドファイバーは、木材を繊維状に粉末にして、固めたような断熱材でマット状になって搬入されます。
実際触った感じも、弾力性があって、柱間にピッタリ納まる感覚があります。ですので、施工時は、はめ込む寸法よりも大きめに切って、押し込む感じで行います。
グラウスールの様な繊維系の断熱材にあるようなチクチクした感じはないのが良いところです。手でちぎる事も出来ます。ただあまり細かくせずに大きめに割いて、押し込む感じで施工するとピッタリ施工できます。
ウッドファイバーは木材なのでシロアリ対策をした商品を注文したい。
ウッドファイバーは、基本的に木材なので、やはりシロアリ対策は必須。特に千葉県は温暖なので、処理をした材料の注文をしておきたいところです
ウッドファイバーの搬入、施工難易度
ウッドファイバーの利点に施工性の良さの記載がありますが、実際は、なかなか施工を行うと手間のかかる施工ではあります。マット状で搬入されるため、柱間にそのまますっぽり納まる事が出来ます。もともとの素材が木材なので、簡単に丸鋸で切る事は出来ますが、筋違部分の施工はかなり大変でした。切断時に木片は散ってしまうので集塵機も欲しいところです。
また、木材の繊維の塊なので、断熱材としては重量があります。
大変かさばるので搬入、設置も工事中の配慮が必要になります。
しかしながら、この重量感があるからこそ、防音性や断熱性、熱容量の性能を確保してくれるのだと思います。
ウッドファイバーを簡単に施工するには、耐力壁を面材で計算して、筋違を無くすようにします。また配線スペースも壁をふかしておく方が良いでしょう。
ウッドファイバーのカットや、切欠きを極力減らすことが必要です。
価格は、やはり高いので、もう少し広がって安くなればいいなぁと思う商材の一つです。
最近のグラスウールは、袋入りになっていて、気密工事も安易になっていますが、ウッドファイバーは、裸でくるので、別途透湿気密シートの施工が必要になります。しかしこの透湿気密シートのおかげで、湿度のやり取りが可能になります。手間は掛かりますが、その分性能もよいのです。
もう一つ、注意したいのが、防火構造の認定が少ないので、外壁など意匠が限定される場合もあるのでデザイン的な注意はしておいた方が良いです。
いろいろ、工事的な部分で意見がありますが、見た目だけでなく、木材の性能に囲まれた住まいは、私にとってとても惹かれる断熱材です。
ウッドファイバー採用物件
追伸
ウッドファイバーは、かなり体感的にも良い商品ですが、コストの問題はあると思います。あと防火の認定が窯業系サイディングしかないのも少し残念ですが、告示などをもちいて様々な外観のデザインもできるので、ご相談下さい。