こんにちは、房総イズムです。
今回は長年のセオリーを打ち破った「キッチンの配置」についてのお話です。
一昔前までは、「キッチンが南側」なんてあり得ませんでした。でも時代は変わっています。変わっているにも関わらず、多くの方がいまだ「キッチンは北側」という固定観念に囚われているのです。
しかし、実際は住まう人のライフスタイルや、普段もっとも活動する場をどこにするのかによって柔軟に設定することで、より満足度の高い快適な家にすることができるのです。
そこで今回は、キッチンが北側ではなくても良い理由や、実際にキッチンを南側に配置した注文住宅の実例をご紹介します。ライフスタイルのアクティブをどこにするか、考えるきっかけになって頂ければ幸いです
もくじ
なぜ昔は「キッチン=北側」だったのか?
①食品が腐らないようにするため
昔は食品の保存方法が確立していなかったため、腐ることを防ぐよう陽の当たらない北側に食材を置くようにしていました。食品を北側に置くことで、必然と調理機能も北側に配置されるようになったのです。
②風水的概念
昔の家は換気設備も充実しておらず、「水回りのものは不浄である」という風水的概念から「ハレの場所」つまり南側に配置しないようにとされていました。しかし、現代は保存機能や調理機器・家の換気システムの進化によって、キッチンが北側である必要がなくなってきているのです。
現代に合ったキッチン配置とは?
家事と言えば、相当時間がかかる仕事であった昔に比べ、現代は白物家電の普及により家事にかかる時間が大幅に短縮されました。(その代わりPTAやSNSなど、他のものに時間が奪われているので、どちらが幸せかは分かりませんが……)
また、昔はテレビを家族全員で見ることがコミュニケーションの主流でしたが、今やスマホやパソコンの普及によって、リビングが家族の中心であることが絶対的ではありません。それでは、家の中でどこがコミュニケーションを取る場所になるのか?それがキッチン・ダイニングなのです。
キッチンは、今や「家事という仕事をこなす場所」ではなく、「家族や友人とコミュニケーションをとる場所」に変化を遂げています。
ママが子どもの宿題を見ながら料理をする、また料理をしながら子どもの学校の話を聞く、そして家族や友人と一緒にご飯を作って一緒に食べる等、最高のコミュニケーションの場ですよね。
という訳で、キッチンは大切なコミュニケーションツールだからこそ、北側に追いやってしまうのではなく、「ハレ」である南側へ配置してみてはいかがでしょうか?というのが我々房総イズムの提案です。
キッチンが南側に配置されることには、とても意味があります。それでは、実際に南側にキッチンを配置した注文住宅の実例を2つご紹介しましょう
キッチンを南側にレイアウトした実例からみる、設計のポイント
実例①南側階段に面したストリップ階段とステンレスオーダーキッチン
房総イズムが設計した注文住宅は
今回実例としてご紹介する住宅も階段が南側にあります。キッチンを南側に配置した理由は、階段を含めた間取りの合理性から導かれました。
南側にキッチンを配置することで、階段・廊下とつながることができ、より一層コミュニケーションが生まれます。
ストリップ階段からの採光を取り入れるキッチン
こちらの注文住宅ではステンレスキッチンをオーダーでつくりました。スケルトンでキッチン下部分に収納がないため、背面の大容量収納がポイント!
キャスター付きワゴンが入っているので、調理時にはこちらを移動して使います。これだけスケルトンのキッチンだと毎日のお掃除も大変ですが、こちらのお施主様はこのキッチンを使いこなすことができる方たち。(そうでなければ、なかなかこういったキッチンをおすすめすることはできません)
階段の配置と階段室をガラス張りにする事で、隣家が迫っていても明るいキッチンを目指しています。結果的に南側キッチンにする事で、実は玄関の配置も合理的にクリアする事が出来ます。
間口が広くて、南北が短い土地には南側キッチンの間取りを検討しよう!
南北に短い土地の場合、一度南側キッチンの間取りを検討する事をお勧めします。間取りの調整が上手くいき、より良い住まいになる可能性が生まれます。
実例②L型+アイランドで「作る」を楽しむ南側キッチン
また、こちらの注文住宅は「色」もひと工夫しました。コンロ回りを不燃材で仕上げるため、キッチンパネルを使うことが多いのですが、キッチンパネルは白色しかないいと思っている方が多くいらっしゃいます。
でも、実は他の色もあるのです!
白色のキッチンパネルを使用する理由は、暗くなりがちな北側キッチンを明るくするためでもあるのですが、今回はキッチンが南側で明るいため、敢えて「黒色」で統一しました。キッチンパネルの色を変えるだけでも印象は大きく変わります。奥様がシックなデザインがお好みのようでしたので、ご希望に沿った色合いとなりました。
さらにこちらの住宅では、キッチンとテラスが繋がっている設計になっています。そのためキッチンからテラスにビールが出せるように窓も設置!
これも南側にキッチンがあるからこそできる設計です。
アイランドキッチン。もはや料理教室
センターにアイランドのシンクを設置して、コの字型にカウンターを作る予定です。とにかくワークスペースを大きく。そうすればみんなで御菓子を作ったり友達を呼ぶ事も出来ます。
昔は続き間の家で親族が沢山集まったりという事が多かったのですが、現在の関係性は、アクティブに楽しめるそんな住まいが良いのではと思っています。
追伸
2つの実例を見ていただいてお分かりのように、キッチンが南側になると住まいの間取りが大きく変わります!
きっと今まで発見がなかったような面白さを見つけられることでしょう。房総イズムは、「トレンド・セオリー・常識」を打ち破るプランも大好物。住まうお客様ファーストの設計をご提案させていただきます。