こんにちは、房総イズムです。住まいの地震対策はみなさんが気になるところ。もちろん建物自体の強度も心配ですが、そもそも基礎の工法で、地震対策を行うというのが、今回のスーパージオ工法。地面と建物の縁を切ってしまいましょう。と言うのがこの工法です。地震対策はハウスメーカーも様々あるので、メリット・デメリットを考えて選択してみましょう。参考にしてみてください。
もくじ
スーパージオ工法の実例で、メリットデメリットを把握する
注文住宅では見えない基礎工事にお金を使える
注文住宅では、まずはカッコよく、メリットのあるコストの使い方をします。しかしながら、躯体や基礎、地盤といった場所は、建物が出来ると見えなくなってしまい、使ったコストの満足感を得られにくい部位です。その為、その部分のコストを減らすことが一般的ですが、千葉で住まいを建てるのであれば、免震なども少し興味を持っていただきたい。そんなところから今回の記事です
スーパージオ工法とは
地盤を置きかえるので置換工法とも言います。我々も昔は、特に田んぼなど、表面だけ軟弱地盤で、その地盤を置きかえる時に使っていました。置換したパレット材が揺れる事で地震力を吸収する力がある事で、免震としての効果もあるのです。その商品がスーパージオ工法。
置換工法なので、様々な土地に使う事が可能なのが特徴。しかも、液状化された場合、置換したパレットの中に水を閉じ込める事ができるので、液状化対策にもなっています。
一般的な免震構造は、ダンパーや免震ゴムなど用いて高価な場合が多いですが、こちらは、パレットのクッション性で免震性能を作り上げているので、非常に安価に設置が可能です。
スーパージオ工法の地震に対応する3つのメリット
①パレットが揺れる事で、地震力を軽減してくれる
地盤を置換して、パレットと砕石を敷きこむことで、地震時には、この空隙部分で地震力が吸収されて建物に伝わる地震力が小さくなります。免震構造と言うよりも減振構造といった方がニュアンスに合っていると思います。
実際のパレット組み立て風景です。この上に建物がのっても大丈夫なの??と思うかもしれませんが、大丈夫です。建物は一般的に木造二階建てであれば1㎡あたり20KNくらいです。
このパレットは、1㎡あたり300KN以上。つまり、10倍以上なので、10戸積み重なって大丈夫と言う計算になります。
②液状化対策ができる
昨今、話題になる液状化。地震によって、地盤の水が地面の砂と混じり、地表面まで現れてしまい、噴出する現象。建物や道路などを傾けたり波打った状態にしてしまう現象。
パレット内部が、空洞になっているため、一時的に、水だけをここに閉じ込め、地表面の噴出を防止します。この水は時間と共に地中内部に取り込まれ、元の状態に戻ります。
③撤去が可能。特別な重機を必要としない
簡易的な、パレットを敷き詰める工事なので、将来撤去が可能。つまり杭基礎のように地中埋設物で、土地の評価が下がったりする事をなくすことが可能で、地盤にも優しい。またパレットを敷き詰める工事は、安易であるため通常の基礎工事の延長で可能です。
千葉で減振構造、免震構造を使う理由
我々の注文住宅では、コストが許す限り、こういった地震対策を施します。特にスーパージオ工法の良い所は、ものすごくローテクである事、高性能の免震構造を付けた場合、どうしてもメンテナンス必要になります。一方この工法は、地面と縁を切って、地震力を軽減する仕様で、これは、昔の神社仏閣の石場建て工法に近い作り方なのです。
昔の神社は、束石の上に柱を立てて、作っていました。地震が起きれば、建物自体が揺れて束石からずれる事で地震力を逃がしています。もちろん地震のあとは、元に戻す必要はありますけれども・・・
結局のところ、地震に対して耐える耐震が続くと、部材や仕口、継手など沢山の部位が耐えなくてはなりません。耐える強度を超えると壊れてしまいます。そうしたらどこまで耐えるかを設計しなくてはなりませんが、将来起きる地震にたいしてここまでだったら大丈夫ということをお話しする事は出来ません。ある一定の部分まで耐える耐震と、それ以上は地震力を逃がす免震や減振の組み合わせが一番普通なのだと思います。
では、簡単に工事の方法を説明しましょう。
①根切り 置換する部分の採掘
今回の住まいは、もともと50年前に田んぼだったので、地盤調査の結果があまり芳しくありませんでした。その為、スーパージオ工法を選択しました。田んぼなので、水をためる為にある深さから先に粘土層があります。この粘土層の水はけは良くありません。
普通の基礎工事の倍くらいは地面を掘っています。建物が完成すると全く見えない部分ですが、大切な工事です。
②土木シート 砕石敷き
次に、根切りの土が、パレットの中に侵入しないように、崩れないように、土木シートを敷き込みます。
その上に砕石を敷きます。この砕石は、リサイクル品ではだめです。
③砕石締固め、
砕石を必要厚み敷いて、締固めます。この上にパレットを置くので、平たんにする必要があるので、丁寧に工事を行います。
④土木シートの再度敷き込みとパレット設置と検査
再度、パレットを包み込む土木シートを設置します。その上でパレットを設置します。検査も行います。
⑤パレットの隙間に砕石を敷き込み、ボード、シートを敷きこんで完成
パレットの横に砕石を埋め戻し、すべりシートを設置。丁寧に工事を行うことが大切です。
大きな自信があるから、免震保証
スーパージオ工法は、勝手に免震構造と言っているわけではなく、免震保証が付いてきます。
これがユーザーにとっては一番の安心材料でしょう。こういった免震保証がある商品は少なく、また大変高額であってりするので、大変導入しやすい工法と言えます。
スーパージオ工法は、10年ごと更新の保証が付いていて30年まで延長可能です。
地盤保証・免震保証・液状化保証
これはかなり魅力的な保証です。
千葉のスーパージオ工法導入事例
デメリットは。
審査機関で審査に時間がかかる場合有り
工法自体は、大変優れたものですが、構造審査をする場合、検査機関で、詳細な説明を求められることがあります。特に長期優良住宅や耐震等級を取るような物件で、地盤調査の結果、地盤改良が必要と判断され、スーパージオ工法を用いる場合。スーパージオ工法の会社でもある一般社団法人 地盤対策協議会と事前に確認しておきましょう。
普通の工法に比べれば、コストは掛かる
一般的な、地盤補強工事、置換工事などに比べると、多少コストアップは見込んでおいた方が良いです。また、いくら容易な工事と言っても、初めての場合は、しっかりマニュアルを頭に叩き込んで工事に望む必要はあります。特に基礎屋さんは、『こんなに根切りするの??』と言われますが、工事自体は単純なので終われば『簡単だったね』と言ってくれます。
しかも、近隣の方々も、こんなにしっかり基礎をやっているのここでは見たことないと言われる方もいらっしゃるので、そういった面でもメリット、デメリットを勘案して検討する必要があります。
追伸
地震対策は、様々あるので、どれが一番良いですか?と聞かれる事は多いのですが、どこを基準に考えるかで全く考え方が異なります。コスト、工法、保証、工期等、どこを基準にしますか??専門家含めて皆さんにベストの選択を選んで頂きたいと、思っております。知識のある、工務店・設計者は様々な提案をしてくれると思います。