プランを主観、客観的に語る

ルール④(主観、客観的ルール)

『できたプランをプロの設計者に説明してもらう』

人に間取りを語ってもらう意義

前回までで、イメージ間取り図は書けたと思います。

その間取り図を、設計者に清書してもらいましょう。設計者は、あなたのイメージ間取り図を、実際の形に落とし込みながら、様々な実務の処理を行います。

そして、その清書した設計図を、プロの設計者に語ってもらいます

自分の間取りに恋してはダメです

これはどういう事かと言いますと、あなたのプランに客観性を持たせるためです。これまでに沢山の要望を出して、NO1を決めて、大事な部分を元に間取りを作ったと思います。ここまで苦労したプランだからこそ愛着がわいているはずです。そして、そのプランに恋してしまいます。

恋は盲目になってしまいます。あなたが精魂込めたプランをプロの設計者が客観的に語る事で、自分でも思いついていないような利点、欠点が見えてくるはずです。

設計者の鍛錬は、人のプランをプレゼンすること

設計者の鍛錬で、他人の設計を、まるで自分の自分の設計の様にプレゼンするという修業があります。これは、人のプランの良し悪しを発見できる能力を鍛え、客観的な設計力をアップするトレーニングです。どうしても、設計はモノづくりのスタートの思考なので、非常に主観的になりやすい業種です。逆に、評論家は、常に客観的に、かつ理解しやすい形まで噛み砕き、物事を説明します。

住宅の設計には、そこに住まわれる方達と、制作する側と、公共性など、様々な視点の配慮が必要になるので、主観的と客観的両方の視点が非常に大事になります。この二つの見方が設計者の設計能力を飛躍的に上げてくれます。

つまり、皆さんの主観的な考え方と、設計者の客観的考え方を、皆さんのプランに落とし込むことで、その計画は洗練され非常に魅力的に変化してゆくのです。

客観的な見方は、スピード調整とレンズのサイズ豊富さによる

客観的視点と言うのは、例えるなら、沢山の虫眼鏡とスピードコントロールで街中を散策しているイメージに近いです。

普通に走っていれば気づかないけどもゆっくり歩けば、小さな花に気づきます。虫眼鏡で除けばテントウムシに気づくでしょう。走れば、街中全体を見渡せます。住まいも同じで、どの虫眼鏡で見るのか、また、どの時系列でみるのかで見え方が全く異なります。そういった客観的の見え方を設計者に語ってもらう事で、皆さんは更に新しいアイディアを見つけ、新しい価値観を発見して、計画をブラッシュアップしてくれるのです。

注文住宅はコストの限界を決める ルール⑤