こんにちは、房総イズムです。『もう大好きな、この板張りの感じ!!』化粧野地板張りは、ログハウスとは違ったスマートな意匠のインテリアになります。クロスには無い素材感は、やはり天然木で無ければ作れませんね。でも、昔は沢山あった化粧野地板張りも今では、少し高級品。断熱の納まりなど、設計的に配慮しなければならない場所が多々あります。今回も、少し専門的ですが、楽しんで読んでください。

化粧野地板の天井は杉板のデザイン

化粧野地板の天井とは、杉の相じゃくり材を用いて屋根下地になる野地板をそのまま室内の化粧天井として見せてしまうデザインです。

昔ながらの屋根であるので、なんとなく哀愁漂う天井デザインです。

化粧野地板は美しい

化粧野地板は、杉の木目、赤身、白太、それぞれが自然そのまま天井のデザインになります。

化粧野地板
化粧野地板

勾配天井のまま空間は空間は作られるので、まるで吹き抜けのような開放感を得る事が出来ます。

軒先 化粧野地板
軒先 化粧野地板

軒先も垂木現しのデザインの為、化粧野地板を採用。

こんなに美しい天井のデザインですが、最近は本当に数が減っています。

化粧野地板を用いる工法は、現在の建物の作り方からすると大変手間のかかる作り方であり、断熱性能的な配慮も必要になるので、設計も様々配慮が必要になります。

設計をする。化粧野地板は、屋根断熱をどのように納めるか。

化粧野地板は、屋根の下地材である野地板を天井の化粧として使う工法です。

多くの一般的に必要な、断熱材は、天井の懐に入れます。

天井断熱NG
天井断熱NG

しかし、これでは化粧野地板を見る事が出来ません。その為、天井断熱ではなく、屋根断熱を用います。

屋根断熱でも野地板は見えない
屋根断熱でも野地板は見えない

しかし一般的な屋根断熱は、野地板を張ってから垂木間の下に断熱材を入れるので、結局これでも野地板を見る事は出来ません

方法としては、断熱材を入れて、天井を仕上げてから勾配天井に木板を張れば化粧野地板のデザインになりますので、これが一般的な施工方法でしょう。

ただこの工法だと、木目調のクロスでも同じような感じになり、ちょっとプロっぽくありません!!

母屋の下に板材が張り込まれてくるのが、昔ながらの哀愁のある化粧野地板張りになるので、ここはこだわりたいです。

こだわった、化粧野地板の天井デザインを用いたかったので、二重野地板の納まりを使う事にしました。

野地板を2重に用いて垂木間に断熱材

化粧野地板と、屋根下地の野地板をダブルで用いる事で、屋根断熱を垂木間に落とし込む詳細です。

二重野地を用いた、化粧野地板の天井
二重野地を用いた、化粧野地板の天井

垂木間に屋根断熱を落とし込むことで、断熱の心配が無くなります。ただ、断熱材の厚さは、垂木の寸法で決まってしまうので、垂木の成、断熱材の厚みのコストバランスを考え、高性能な押し出し法ポリスチレンフォームを用いて性能的な担保をとって入ます。

化粧は施工が大変

一昔前までは、現代のように様々な仕上げ材があるわけではないので、大工さんの工事がそのまま意匠になっていました。一般的に大工さんが仕上げ工事に参加するのは木部を化粧として使う場合に限られます。

その木部の仕上げも少なくなった現在は、主な大工工事が下地工事の為こういった配慮のある仕上げ工事は苦手な方が多いのです。これも残念な限りです。。

その中でも化粧野地板の工事は、建物を造りながら、仕上げ工事も行ってゆくので倦厭され気味です。。

ただ、それでも、化粧野地板の天井のデザインは、魅力的なので、房総イズムの大工さん達と共に使っています。

化粧野地板は施工順序と事前準備が肝

POINT
事前にプレカットを行う時に納まり図と共に、母屋落としや垂木欠き、逃げ寸法などしっかり準備しておく必要があります。
化粧野地板施工方法
化粧野地板施工方法

まず、化粧野地板を施工します。

次に垂木を施工します。桁、母屋にタルキックを打ち込みます

化粧野地 断熱材
化粧野地 断熱材

その垂木間に断熱材を敷き込みます。少し大きめに切って、隙間なく敷きこむことが重要です。

上部は通気層です。桁から棟に向けて屋根換気を行います。

屋根防水
屋根防水

この垂木の上に下地の野地板を敷いて、その上に防水を行います。ここまでくれば安心です。

どうしても、屋外工事なので天気との戦いになりますので、棟上げをしてからはほぼ毎日天気予報の確認です。今回は平屋で大きかったので、一週間弱でここまで完成です。

化粧野地板の事例

追伸

やっぱり専門家なので、専門的な目線ばかりの内容になってしまってすみません・・・でも設計的配慮をしてもやりたい意匠の一つです。房総イズムも好きなデザインです。是非みなさんもどうぞ!!